犬の飼い方の先入観
私たちが長年にわたって全国各地の皆様から寄せられた疑問、誤った常識、迷信、不安にお答えします。
- 女の子の方が飼いやすい
- 愛犬雑誌やネット上の情報や一般的な考え方として、「女の子の方が飼いやすい」とよく言われますが、それは大変な間違いです。
昔から女の子の方が大人しいといわれますが決してそのようなことはありません。性別で性格や気質が決まるものではなく、個々に違いがあります。 - 身体の大きさには男の子も女の子もほとんど変わりありません。ということは女の子の方が若干大きいこともよくあります。
- オスはマーキングする
- 「オス=マーキングする」「メス=マーキングしない」とお考えの方が多いですが、これも間違いです。
通常男の子は室内では女の子と同じ排泄の仕方です。世の中の約半数の世帯で男の子が飼育されていますが、そのすべてが室内でマーキングしていたら大変なことになります!
- 早く飼った方がなつきやすい
- 大きな間違いです。
子犬は順応性が高く、生後4ヶ月でも5ヶ月でもなつきます。1歳以降から飼育し始めてもなつくものです。
なぜペットショップでは「子犬は幼いほどなつきやすい」というのでしょうか?
それは早く売りたいからです。
子犬がペットショップに長く居ると、世話に手間がかかり、エサ代などの維持費もかかるし、値段もどんどん下がります。ペットショップにとって良いことは1つもありません。
ですから「早く飼ったほうがなつきやすい」というのです。
犬は順応性の高い動物です。数カ月の差でなつき具合が変わることはありません。
- 早く飼った方が飼育しやすい
- 真逆です。
モトコランドの子犬たちは広々とした飼育環境で、多くの犬たちと過ごし、社会性を身に付けるため、月齢が経てば経つほど飼育しやすい子に成長します。また、身体が成長することで体力・抵抗力が付き、知恵も付き、排泄の回数も減っていきますので、どんどん飼いやすい子になってゆくものです。原則すべての子犬にサークル内でのトイレトレーニングを完璧にしてからお引渡ししています。私たちは最短でも生後60日齢までは子犬をお引渡ししておりません。できればもっと遅い方(生後3~3.5ヶ月以降)がより飼育しやすくなります。→「パピー合宿」を参照
- 散歩は毎日必要 規則正しい生活が大切
- 「ウチの子は散歩へ行かないと排泄しないので、毎日散歩が大変。」「決まった時間になると吠える(要求吠え)。」これは毎日散歩へ連れて行く習慣を付けてしまったためです。
毎日散歩へ行かないことと、決まった時間に決まったことをしなければ愛犬は要求しません。 - そもそも散歩と運動を結び付けている本や雑誌やカタログが多いですし、犬種によって散歩時間が決まっているような表記がされていますが、それらの情報はすべて誤りであり日本特有の固定観念です。・・・肉食動物である野良犬が毎日決まった時間に決まった距離を歩いているはずがありません。
- 「飼い主中心の生活」をしてください!
- 留守がちだから飼えない
- 最初から留守番させる習慣を付けることが大切です。ですから大型連休中に飼育し始めるのはあまりお薦めできません。子犬を迎え入れた初期の段階から留守を経験させた方がよいです。モトコランドが指定する(販売もしています)、サークルとトイレトレーと「モトコランドベッド」を設置すれば排泄の粗相をしませんのでご心配なく。また子犬を迎え入れる月齢を2ヶ月ではなく3ヶ月以上にすると多少でも排便回数が減ります。ちなみに、モトコランドへ来られる皆さんに留守の時間をお聞きしていますが、6.5~7割ほどのご家庭が9~12時間ほどの留守番があります。
- 猫と犬を一緒に飼えない
- 犬同士での多頭飼育よりも猫との多頭飼育の方がハードルは断然低いです。老猫は注意してあげた方がよいですが、多くのご家庭では犬と猫との関係に困っているところは非常に少ないです。犬が犬を避けたいときと違って、猫が犬を避けるときは高い所へ行くことができます。また犬よりも猫の方がスピードが早いです。
- 犬種によって散歩時間が決まっている
- 一度でも犬を飼ったことがある人なら間違いだと分かるはずです。散歩は習慣付けです。散歩を1日1時間、1回40分など決まりなどありません。飼い主が負担になるような散歩は控えましょう。
- 犬は365日ご飯を食べる
- 犬は肉食動物(体長に対して腸が短い動物)です。肉食動物は毎日欠かさず捕食しませんし、食べる時間はいつも違います。人間以上にサバイバルな世界で生きてゆけるたくましい動物です。ですので、丸1日くらいの絶食は平気です。
- 散歩と運動は同じ
- 違います。散歩は人間がリードを付けて歩くものですから、人間にとってよい運動にはなるかもしれませんが、犬たちにとって消費カロリーはわずかです。ですから散歩でダイエットはできません。
- 運動すれば健康になる
- はっきりしたデータ(統計)はありませんが、運動しても癌を抑制したり心臓疾患を予防したり、治ることはありません。たくさん運動している子の寿命が長いわけではなく、散歩嫌いでまったく散歩へ連れ出していない子が短命だったり情緒不安定だったりしません。
- 散歩の目的は排泄
- 毎日散歩へ連れ出すと外でしか排泄しなくなります。しかし、毎日散歩へ行かない子は室内でも排泄できますし、その方が排泄を我慢させなくて済みます。散歩は毎日行ったり、まったく行かないよりも、「行ったり行かなかったり」、つまり飼い主の都合の良いときだけ行くことがベストです。
- 短毛犬種は服を着せる必要がある
- 着せてもよいですが着せる必要はありません。今の日本では室内飼育することがほとんどですから、寒さに敏感になりました。寒さがりであっても寒さに弱くなったわけではありません。(※幼齢期は別です)
- 躾と訓練と芸は同じ
- 躾の定義は「家のルールやマナーを教えること」です。訓練や芸とは違います。ですから各愛犬家によって躾の内容は違うはずですし、違ってよいものです。躾の内容をモトコランドが決めるものでもなく、本や雑誌や有名人のいうとおりに行う必要はありません。「パピー合宿」は躾ですからこの躾内容が必要ないと思われる場合は「パピー合宿」に入れなくともよいでしょう。
- 犬の幸せは飼い主の数だけある
- 限りなくウソではないといってよいでしょう。
愛犬に幸せかどうかを聞く術はありません。野性に還すことを前提にしていませんから、人間と愛犬の共生の上では飼い主の数だけ愛犬の幸せの形があるといっても過言ではないと思います。また犬たちは人間の感情をストレートに受け止めています。
言葉よりも感情です。飼い主が幸せを感じていると愛犬はその幸せな感情を受け止めています。
愛犬を看取ったあとに後悔の念を抱かれる方がいらっしゃいますが、どのような最期であったとしても「この子がいてくれて良かった」という感情を受け止めて生涯を閉じていることだけは間違いないはずです。
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